「メーデー」というドキュメンタリーがある(メーデーはあくまで和名だが)。これは実際に起きた航空事故を再現VTRとともに振り返り、その経緯・原因・教訓を共有するという至って真面目なテレビ番組だ。本番組は元は英語だが、日本語翻訳されたものがあり、ニコニコ動画サイトでは無料で配信されている。
本番組の内容自体は基本的に真面目なのだが、ニコニコ動画配信ではコメントがつくことから、いくつかの事がネタにされており、それらのコメントがこの番組を非常に面白くしている。そういったニコニコ動画のメーデーの虜になった人達はメーデー民と呼ばれる。私も実際最近メーデーにはまり、このメーデーの面白さを知った。本記事はそれを共有したく、初心者おすすめの番組をまとめた。
コンテンツ
- メーデーという番組の流れ
- 初心者おススメ回(カッコ内は私が勝手に決めたキーワード)
- エアカナダ143便滑空事故(もう助からないぞ♡)
- BA5390便不時着事故(キャプテン・ストライク)
- カンタス航空32便エンジン爆発事故(じゃあ行きましょうか)
- PSA182便墜落事故(髪回)
- UPS航空6便墜落事故(リチウム電池)
- 最後に
１．メーデーという番組の流れ
ドキュメンタリーのメーデーという番組は、先述の通り、実際に起きた航空事故を再現VTRとともに振り返り、その経緯・原因・教訓を共有する。番組の流れとして、まず事件のイントロとして概要を簡単に話し、そして「これは実話であり、公式記録、専門家の分析、関係者の証言を元に構成しています」というナレーションが入って本編に入る(ここで「フィクションじゃねぇのかよ騙された！」というコメントがニコニコ動画では大体流れる)。本編の前半は俳優とCGを使った再現VTRで当時の離陸準備から事故発生、解決(もしくは墜落)までが流される。その後、後半の原因究明パートとして、俳優が原因究明のプロセスとその結末を流す、という形だ。合間合間に事故関係者のインタビューが入り、当時に対する回想が入る。以上がメーデーという番組の大まかな流れだ。
２．初心者おススメ回(カッコ内は私が勝手に決めたキーワード)
初心者にはまず生存回をおススメした。極限のピンチにありながら、関係者の協力や思考・努力・決断の末に全員生還というものはすさまじいカタルシスがある。フィクションでないのでなおさらだ。むしろ大勢の人が亡くなる事件はやっぱりヘビーなので注意が必要だ。
・エアカナダ143便滑空事故(もう助からないぞ♡)
エアカナダ143便は全員は生存する事件だ。空中で全エンジンが停止するが、機長・副機長・管制塔の行動の末、無事生還することになる。この回は安心して笑える回の中で最も面白い回だと思う。フィクションなんじゃないかってくらいの予想外なトラブルが起きるのが笑えるし、コメントも面白いのでぜひ見てほしい。全員生還するから安心して笑えるところがある。
・BA5390便不時着事故(キャプテン・ストライク)
BA5390便も生還する事件だ。これはそもそも発生したトラブルそのものが予想外なものだ。この事件ではコックピット内は実質副機長たった一人が機体の操縦＆判断を行い、飛行機を墜落から免せている。この回はトラブル自体が非常にイレギュラーなため非常にドキドキする回だ。そしてフィクションにしか思えない状況での乗員たちの適格な判断と行動は、そして結末はとてもカタルシスを呼ぶので見よう。コメントも非常に笑える。
・カンタス航空32便エンジン爆発事故(じゃあ行きましょうか)
カンタス航空32便も全員生還する事故だ。本回の目玉は、全員が一致団結して連携しつつ、それぞれの役割でベストを尽くし、結果生還するというカタルシスだ。困難に立ち向かう際の理想的な行動を示していると思う。もしも自分が困難にぶつかっても、こうありたいと思えるほど事故関係者には尊敬の念を抱ける。面白い面白くないではないが、この回が最も感動する回だと思う。
・PSA182便墜落事故(髪回)
事故名からわかるようにこれは墜落事故だ。しかしニコニコ動画のコメントやツッコミから、ドキュメンタリーとして非常に笑いを誘うものとなっていて、ある意味ニコニコ動画で見るメーデーらしい回だ。本回の面白さはイントロ部内だけでわかるので、墜落事故を見てみたいときは試しに見てみよう。
・UPS航空6便墜落事故(リチウム電池)
UPS航空6便も墜落事故だ。結構鬱な話だ(墜落事故なんて大体鬱だが)。リチウム電池の発火による事故で、いろいろあってコックピット内は実質副機長一人が困難に立ち向かうことになる。困難の中、諦めず着陸を目指す副機長と、複数の機外からのサポーター達の戦いは胸を打つものがあり、あきらめない心は美しいと思える回だ。そしてリチウム電池には気を付けようと本気で思える回だ。
３．最後に
メーデーは結構面白く、特に感動する回もあるのでぜひ見てほしい。また、真面目な面でも、悲惨な事故がどれだけシンプルなミスで起こるのかの教訓になる。安全管理は多くの場合複数のフィルターを通しているため事故は滅多に起きないが、その一つ一つのフィルターは非常にシンプルなものだ。偶発的にシンプルなミスが重なったとき大きな事故が起きる。ある杜撰な行為の代償がどれだけ重いか、その負債を人命以外で返済するにはどれだけシビアで鋭い判断と決意と行動が必要か、実感させられる。本番組は笑えながら事故に関して知り、戒められる非常に良い番組だと思う。みんなも見てみよう。
