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ハートオブクラウン レビュー 姫毎の戦術例

ハートオブクラウンというカードゲームがある。これはドミニオンのようにデッキを作っていくゲームだ。

自分はこのゲームが非常に好きで、仲間内で始めて以来、ちょくちょくやってもう4年以上も遊んでいる。今回その中で使ってきた・作られてきた戦術をまとめてみようと思ってこの記事を書いた。基本的なルールの説明は一切省いているので、「ハートオブクラウンって何?」って人は別のサイトを見てください。

なお、ハートオブクラウンはみんなご存知かもしれないが一部のカードパワーがぶっ飛んでいるので、仲間内でやるときは禁止カードを作ってプールに入れないようにしています。そのため自分の想定している環境が読者の方の環境と多少異なる可能性がありますのでご了承ください。

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コンテンツ

  1. 重要な戦術要素
  2. 姫毎の戦術 (~が主な戦術名、ないものはない)
    1. クラムクラム ~最速クラム~
    2. エムシエル ~先攻エムシエル~
    3. ベルガモット ~コンボベルガモット~
    4. ルルナサイカ ~王冠ルルナ~
    5. ラオリリ ~一周ラオリリ~
    6. フラマリア ~安定化フラマリア~
    7. レイン&シオン
    8. オウカ ~4・5オウカ~
    9. アナスタシア
    10. ルウェリー ~図書館ニコル~
  3. まとめ (個人的な所感)

1.重要な戦術要素

このゲームにおける特に重要に戦術に関わるルールは以下3つだと考えている。

  1. 擁立すると金が最大三枚デッキから抜ける(デッキの金密度が減る・圧縮される)
  2. 得点カードを張るターンは購入ができず、逆もまた然り
  3. ランダムマーケットにより購入が制限・妨害される

1があるため擁立のタイミングが非常に重要になる。擁立後は擁立前に比べて金が出づらいくなる。コンボデッキからすると、むしろコンボカードが引きやすくなる。ドミニオンなどのデッキ構築型ゲームをやったことがある人ならなお、3枚圧縮が大きな意味を持つことはわかるだろう。農村が直轄地に入ると一枚につき-2点入るのは実際痛いが。ハートオブクラウンは擁立しないと勝てないので、この圧縮は戦術を考える際に避けては通れない要素だ。

2は「得点を張りたいターンは金を出す意味がなく、購入したいターンは得点カードが邪魔」というジレンマがあることである。手札の中にメリハリが欲しくなるのだ。しかし実際にはそんな確率操作はできない。これを可能にするには、自分の中で買うフェイズと得点を張るフェイズに分けることだ。最初はひたすら購入を行い、デッキ内の点数が20点を超えてから、次は引いたカードをひたすら張るフェイズに移る(勿論手札次第で柔軟に対応するが)。このようなフェイズの扱い・分け方が戦術を考える上で重要になる。

3は欲しいカードが手に入るとも限らないということだ。特にこのゲーム、周りが慣れてくるほどランダムマーケットを不用意に回さないようになっていくので、ゲーム中盤以降でのコンボカードの購入は困難だ。欲しい行動カードが得られるかは序盤にどれだけかっさらえたかで7割以上を占めると感じている。同名カードも5枚しかなく、あまりコンボに固執すると痛い目を見ることになるため、戦術の柔軟性が求められる。このランダムマーケットのシステムも、戦術を考える上で重要だ。

ここから先の姫毎の戦術は上記3点を踏まえつつ書く。

2.姫毎の戦術 (~が主な戦術名、ないものはない)

・クラムクラム ~最速クラム~

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クラムクラムは購入コストが下がる。都市が2金に、大都市が5金に、侍女が2金、議員が4金、公爵が7金だ。この姫の戦術の一つは、最序盤(3,4ターン目)に擁立し、都市を大量購入、大都市を大量購入と繋げて公爵を買いまくる、という基本に忠実な速攻戦術だ。

最速クラムの強み:ランダムマーケットに振り回されづらく、擁立すると安定して早い

最速クラムの弱み:最序盤に擁立するため1,2ターン目を都市購入することになり、運悪く擁立できない・他者がクラムクラムで擁立するとリカバーが遅れる

この戦術はランダムマーケット以外のカードで戦うことが多いので、擁立してしまえば安定感が高い。ただし、弱みの通り1ターン目から最速クラムに向けて動く必要があり、他プレイヤーに察知された上に運悪く6金が出ないと、リカバリーが難しくなる。ランダムマーケットは序盤ほど強いカードが残っており、ターンが経つほど誰も回さなくなるため、序盤のランダムマーケット購入に走れないのは実際リスキーだ。また、擁立してもほぼ必然的に直轄地に入る農村の-2(大体-4までいく)が重い。ランダムマーケットに有効なカードが少ない時に真価を発揮する戦術になる。

・エムシエル ~先攻エムシエル~

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エムシエルは即座に3金を獲得し、さらに購入コストを1引き上げる禁制品トークンを三つ自由に操作して置けるようになる姫だ。この姫の戦術の一つは、最序盤に擁立して都市に禁制品トークンを置き、終盤は公爵と大都市に禁制品トークンを置いてゲームを停滞させる戦術だ。

先攻エムシエルの強み:相手に金が出ないように妨害してゲームをコントロールできる

先攻エムシエルの弱み:自分が購入するために禁制品トークンをずらした際に購入されることも多いため、強みが活かすことが難しい

この戦術は他者に金が出ないように妨害しつつ、自分は3金がデッキにあるのでそこそこ購入できる状態を生み出し、出し抜いていく戦術だ。ただし大都市1枚分だけで実際にそこまでうまく活かせることは難しく、自分が購入するために禁制品トークンをずらしたタイミングで他者にも都市が購入され、結局他の姫より強みが薄くなってしまうことが多い。購入制限をかけているのにフラマリアで一気にリカバーされてしまうこともある。個人的には運用が非常に難しい戦術だと思う。

・ベルガモット ~コンボベルガモット~

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ベルガモットは捨て札のカードを使いまわせる姫だ。この姫の戦術の一つは、重要な行動カードを使いまわし、確実にコンボを回すことだ。

コンボフラマリアの強み:コンボに入ると安定感が高い

コンボフラマリアの弱み:デッキが薄いと捨て札がすぐリシャッフルに入り、デッキが厚いとコンボカードが引けず、捨て札に落ちづらい

ベルガモットの使い方は直感的なままだ。ただし、弱みの部分についてはカバーする必要がある。擁立時はできるだけ大都市を直轄地に入れて、リシャッフル直前ではコンボパーツをキープしよう。リシャッフル直後にキープしたカードを使用することで確実に捨て札にコンボカードを捨て札に落とせるのだ。しかしコンボは序盤から使っていきたいが、序盤から使うには大都市での擁立は難しい...というジレンマがある。それが理由で個人的には結局選ぶことが滅多にない姫だ。

・ルルナサイカ ~王冠ルルナ~

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ルルナサイカはバニラだけど6点持っている姫で、ゲーム中盤から2確(戦略的に1位を諦めて2位を確実に取る戦術)を狙う時は特に重要な姫だ。この姫の戦術の一つは、ルルナサイカに皇帝の冠を付けて1枚だけで20点にする戦術だ。

王冠ルルナの強み:裁判官等の得点剥がし妨害が効かない

王冠ルルナの弱み:裁判官環境以外で強みがない

裁判官は侍女・議員・公爵しか剥がせないので、王冠のみで戴冠できるルルナは妨害を受けないのだ。裁判官がある環境ではプレイヤー同士が裁判官で妨害し合い、ゲームが停滞しやすくなるため、序盤から見切りをつけてひたすら金が出るデッキを作り、王冠を用意する戦術になる。

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・ラオリリ ~一周ラオリリ~

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ラオリリは即座にデッキに10点分のカードが入る姫だ。この後少なくともデッキ1周分得点を張ることに専念すれば10点張れる。ルルナサイカと同様に2確するときに重要な姫だ。この姫の戦術の一つは、擁立前に予めデッキに10点以上の得点カードを購入しておき、擁立した後はひたすら張ることに努め、デッキが一周したら確実に戴冠式できるようにする戦術だ。

一周ラオリリの強み:運が良い時に爆発力が高く、終盤からの巻き返しに使える

一周ラオリリの弱み:得点カードを買うほど擁立する6金が出る確率が減り、うまくいく確実性が低い

この戦術はラオリリの特徴である「点数が一気にデッキに入るが、デッキの侍女が邪魔で金が出ずらくなる」という点をシナジーするための戦術だ。ラオリリは序盤に買われる姫ではないため、序盤に出遅れた時の対応策として使える。確率は低いが大逆転もある、という点で他の戦術に望みがない時に使える。個人的には稀によく使う。

ラオリリの他の戦術としてメイド長クロナとのコンボもあるが、たった5枚程度では手札に2枚同時にくる頻度が決して高くなく、かといって自分で買ってデッキの侍女を増やすと、他プレイヤーが妨害目的で侍女を数枚ずつ購入されるだけで侍女が枯渇してしまう。このため、クロナとのコンボは個人的にはあまり信頼していない戦術である。

・フラマリア ~安定化フラマリア~

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フラマリアは即座にマーケットから2枚のカードを獲得できる姫だ。そして農村が直轄地に入らず、減点無し・金が減らないという点がある。ランダムマーケットであるこのゲームでは狙ったコモンカードを集めることは難しく、他プレイヤーの購入による妨害でコンボが難しくなる。この姫の強みは、他者に妨害されず即座に目的のコモンカードを2枚手に入れ、デッキを確立することだ。

安定化フラマリアの強み:ランダムマーケットの妨害がされない・デッキから金が減らない

安定化フラマリアの弱み:特定の条件下以外で強みが際立たない

フラマリアは序盤に一気に「収穫祭」を2枚獲得したりできると強力だ。農村が直轄地に入らないのがなおよい。また、フラマリアの強さが真に発揮されるのは、他プレイヤーがエムシエルで「都市」に禁制品トークンを置いて、金が出ないように妨害してきた時だ。このような金を増やせない状況で即座にコスト5以下のカードが2枚手に入り、さらに農村も直轄地に入らないため安定してデッキから金が出る。結果的にデッキが安定するのだ。実際自分は先攻エムシエルされた場合にフラマリアで都市を2枚獲得したりして対応することが多い。フラマリアは特定の条件下での選択肢として非常に便利で、個人的によく使用する姫だ。

・レイン&シオン

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レイン&シオンはターンスキップを行える姫だ。4人対戦なら最大4回できる。この姫の強みは、妨害されずに5枚の手札を使ってプレイできるターンが手に入ることだ。

レイン&シオンの強み:妨害されずに5枚手札が使えるターンを持てる

レイン&シオンの弱み:妨害が横行する環境以外では強みが発揮されづらい

ターンスキップは一見非常に強力だが、回数を増やすために終盤で擁立するとスキップしても追いつけず、周りのプレイヤーがゲームに慣れてくると一気に強さに疑いを感じてくる能力だ。ターンスキップの強さは、自分で回したランダムマーケットで購入できる点と、妨害が多い環境で手札5枚でプレイできる点と二つあるが、自分は特に後者を推す。妨害により手札が4枚だと6金,8金に届きづらく、ゲームが進まなくなる。妨害カードが非常に多い環境で大都市を購入しに行けるようにできる点は強力な姫だ。ランダムマーケットを自分で回せる点も強いが、他のプレイヤーが擁立しているほどの終盤では、行動カード数枚での状況変化は難しく、素直に大都市や公爵を狙ったほうが良い状況が多い。

・オウカ ~4・5オウカ~

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オウカは手札を2枚追放して、コスト次第でマーケットからカードを直に手札に加えられる姫だ。この姫の戦術の一つは、擁立前にデッキにコスト4,5のカードを大量に購入し、擁立後は毎ターン4+5-1=8で公爵を手札に加えて張り、擁立から4ターンで戴冠式を迎える戦術だ。

4・5オウカの強み:終盤の巻き返しとして圧倒的に早い

4・5オウカの弱み:予めのデッキ圧縮・金を買いすぎると機能しなくなる。金の出る4,5コストがある&4,5コストのカードが多い環境じゃないと実施が困難

この戦術は金を6金以上出す必要はほとんどなく、戦術的に使用できる4,5コストカードを使いながら4,5コストのカードを買い、あるところで6金が出たら擁立すればいい点で非常に安定感があるところだ。直轄地に大都市があり、4,5コストのカードをキープできるとさらに安定して戴冠式を迎えられる。なお、この戦術はオウカが別の人に擁立されると負け確定になるので他の人が姫を買った、もしくは他の人は戦術的に買う姫が決まっている状況で選択する戦術だ。なお、本戦術は擁立後はカードを購入する必要がほぼないので、金のデッキ圧縮が重要になる。特に都市と農村が邪魔になりやすいからだ。金を圧縮しても金が出なくて困る(4,5金まで出ればいいから)という点が薄い点が救いだ。なお、この戦術は終盤から一気に巻き返せる点で個人的に非常に好きな戦術だ。マーケットが決まったら自分はまずこの戦術ができるか考える、それぐらい気に入っており、研究した戦術でもある。

・アナスタシア

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アナスタシアはデッキに呪いが加わり、次のターン実質手札4枚でプレイする必要があるが、即座に行動カードを獲得して使用できる姫だ。

アナスタシアの強み:-(研究中)

アナスタシアの弱み:行動カードも含めてどんどんデッキが重くなる。呪いが撒かれる環境ではスキル発動すらできない

うん。アナスタシアの戦術を誰か思いついたらレポートしてくれ。オウカと一緒に使えるなら強いんだが...。いろいろ考えたんだけど、強い状況すらまだ思いついていない。行動カードたくさん使ってどうするの??行動カードで有利にするのはいいけど結局どうやって勝利に繋ぐの??って感じなんだよなぁ。まぁ隣にいる狼は可愛いよね。

・ルウェリー ~図書館ニコル~

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ルウェリーは擁立時にサポートカードを複数枚得られる姫だ。8金擁立することで確実に2枚以上のサポートカードが得られる。複数のサポートカードを得てシナジーさせられるのはこの姫だけだ。この姫の戦術の一つは、豪農ニコルで手札の金を即座に増やして得点カードを購入しつつ、帝立魔法図書館で購入したカードをデッキ下に置くことで農村増加のデッキ膨れの影響を受けずに一気に勝ち切る戦術だ。

図書館ニコルの強み:実質5金で公爵が買えるので巻き返しが早い

図書館ニコルの弱み:大量の農村でデッキが一気に膨れるため、擁立後のデッキ1,2周中に勝ちきれないと図書館も機能せず勝利は絶望的になる。

この戦術は終盤から一気に巻き返すための戦術になる。8金擁立もしくは大都市を使った擁立が必要で、擁立時の残りデッキ枚数と合計デッキ枚数が重要になってくる。5金で公爵を購入できる点は非常に強いがあっという間にデッキが膨れ上がるので、その管理が重要だ。擁立直後からリシャッフルに入るまでの間は当然使用した農村はデッキに入らず、購入した点数カードはデッキ下に置いているので、先に点数カードを引ける。擁立時にデッキが残り20枚(もしくは即座にリシャッフルが入ってデッキが20枚)あれば、4ターン連続で5金出たとして公爵4枚がデッキ下に入り、5ターン目に24点張って戴冠式を迎えられる。しかしうまく購入できない、もしくはデッキ破壊などの妨害でリシャッフルが入ると、最悪12枚もデッキが膨れ上がってしまう。状況を選ぶ上にリスクも大きいが、成功時の速度は早く、リターンも大きい戦術だ。

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3.まとめ (個人的な所感)

いろいろ書いたが、基本的に序盤で擁立する姫、コンボを念頭にカードを集めてから擁立する姫、状況を見て終盤で擁立する姫がそれぞれいる。基本はゲーム開始と同時に擁立する姫を考えつつ戦術を組むことになるが、このゲームの面白さは状況を見て戦術を転換できることだと思う。環境や最初のランダムマーケットからを見て序盤の攻め方を考え、その後サポートカード・ランダムマーケット・姫の能力・他プレイヤーの戦術を考慮して自分の戦術をどんどん転換していく。出遅れてもうまく対応すれば、終盤からの逆転ができるゲームだと思う。最速クラムが止められず、半分諦めていたが4・5オウカで追いついて勝ったり、先攻エムシエルされたがフラマリアで都市を獲得して追いついたり、序盤の手札事故で心が折れかけても図書館ニコルのルウェリーで追いついたり。様々なゲームを体験してきた。このゲームは奇跡的なまでにバランスが調整されているゲームだと自分は思う(一部のカードを禁止した環境において)。「このゲームってバランスおかしくね?」って思っている人もいると思う、自分も実際そういうカードもあると感じている(埋もれた財宝とかあると運ゲーになるし)。「これを序盤で買えた人が勝ちでしょ...」って思うカードも何枚かあるのでその気持ちは否定はできない。でもアナログゲームではバランスブレイカーのカードは参加者同意の上でカードプールから抜ける。そうやってカードプールのバランスさえ調整すれば、このゲームシステムは非常によくバランスが取れていると思う。

なお個人的な趣味の話だが、個人的に一番好きな戦術は4・5オウカ。一気に巻き返せて気持ちがいいし、擁立まで行けば安定感があるので。姫の絵として好きなのはフラマリア。オウカはむしろ下から数えた方が早い。フラマリアの使用方法を考え、時に柔軟に運用して勝ったりできているのはフラマリアを使いたいという気持ちがあるからかもしれない。まぁ実際フラマリアは状況次第で非常に強いんだけど。擁立後はバニラだけど、このゲームは序盤ほどアクションが勝敗に与える影響が大きいので、擁立した瞬間効果をすべて発揮しきるフラマリアはルールに合っているのだ。

他にも面白い戦術があったら教えてほしい(特にアナスタシア)。それでは皆さん良いハートオブクラウンライフを。