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moon 考察 おまえ自身のラブとは

最近ニンテンドーswichで1997年発売のプレイステーション用ソフトmoonが再発売された(元の開発はラブデリック)。「もう、勇者しない。」というキャッチフレーズや、アンチRPGのうたい文句に、なんとなくundertaleやmotherに似たにおいを感じて興味があり買ってみた。で、やってみた。クリアしたんだけど、クライマックスとエンディングの内容がなかなか難しく、最初は理解できなかった。いくつか考察サイトを見て、自分の見解も入れて納得するに至った。今回、特に自分の見解についてちょっと書いてみようと思った。考察について悩んだり、理解できない!という人への一つの参考になれば幸いだ。

以下、moonに関するネタバレがあるので注意!!

ここからネタバレ入る。

1.世界観の考察(他考察サイト+自分の見解)

世界観についての説明や、勇者の存在、moonの世界そのものについては多くの考察サイトを見ればわかると思うので割愛する。前提とする自分の認識を簡単に書く。

・moonの世界は作られた世界で、奇盤により設定が決まっており、物語も2つに絞られている。

・勇者は大臣により少年(カタカナ)を殺して生まれた存在で、プレイヤーが操作する透明少年(ひらがな)は現実世界から入ってきた存在。

・勇者の物語はドラゴンを倒すこと、透明少年の物語はラブで月の扉を開けること。どちらが結末になるかは決まっていない。

・勇者がドラゴンを倒すと、全てが奇盤になり、「moon」というゲームが完成する。

・透明少年が扉を開けると、月の光が戻り、moonの世界の「ニンゲン」は元の世界に戻る。moonというゲームは発売されない。

 

2.おまえ自身のラブとは(本ブログのメイン)

さて、いろんな裏設定もわかった上で、自分が特に気になった部分について書こうと思う。それはクライマックスで勇者に倒された女神とドラゴンが最期に言っていたセリフに関わる。

「もう一度おまえの目の前に扉が現れた時...おまえ自身のラブで扉をあけるという事を」

正直このゲームで最後の選択肢をNoにするのはかなり難しかった。どうすればクリアできるのか全く分からず、最終的に「YesでダメだったからNoを押したらクリアできた」という具合だ。クリアした後、なぜこの答えになるのかを考えた時に、この問いかけに引っ掛かった。

2-1前提

まずこのセリフの「おまえ」とは誰だろうか?motherのように考えて最初はプレイヤー自身だと思った。しかしこのセリフの前に、女神とドラゴンは明らかに透明少年(ひらがな)の名前を言っている。この「おまえ」は透明少年のことだ。

では「少年自身のラブ」とは?ここで、このmoonの世界における「ラブ」について考察する必要がある。これまでのストーリーでラブを得られた行動を想起すると、ここでいうラブは大体以下に分類でき、いずれもラブだと思う。

①助ける気持ち(アニマルキャッチ等)

②感謝の気持ち、人を想う気持ち(各イベント等)

③行動に起こすほどの強い気持ちや衝動(ヘイガーや花火師等)

2-2考察

物語のクライマックスは、上記のセリフを聞いた少年が、現実世界の扉をラブで開けてめでたしめでたしとなる。その少年が現実世界の扉を開けるところを、①②のキャラクターを助けるラブ、キャラクターを想うラブだと解釈することもできる。しかし、少年は自分が現実世界で扉を開けることが、このゲームの世界のキャラクターを助けることだと認識できていただろうか?「もう一度おまえの目の前に扉が現れた時」という枕詞がついているとはいえ、もし自分が少年だったら、キャラクターを助けるためのラブは、ゲームをコンテニューして、月の扉をもう一度開けることだとを考えた。だから最初、このクライマックスは理解できなかった。

ここで頭に浮かんだのが、ラブは③を含むということだ。さて、この物語で少年が行動してきたことは何か?一つはラブを集めたことだろう。しかし、この物語は少年が冒頭で、RPGを始めるところから始まっていた。少年自身のラブとは、RPGをしたいという衝動、言い換えると一つの世界を冒険したいという気持ちを含むとも解釈できる。とすると、「おまえ自身のラブで扉を開けろ」というセリフは、「冒険をしたいという気持ちで、次に見た扉(現実世界の扉)を開けろ」という意味だと少年が解釈した、と考えれれる。これならば、現実の扉を少年自身のラブで開けることにも納得がいくと思った。

ただ、この考えだとmoon世界のキャラクターが助かったのは、少年の「キャラクターを助けよう」という意思ではなく、結果的にそうなっただけということになる。また、女神とドラゴンは「透明少年がラブで扉を開き、月の輝きが戻る」という奇盤の情報しかなかったため、このセリフは手の込んだ誘導ではなく、本当に「次扉が出た時こそ、ラブで開けてくれ」というつもりで発したものだったのだろう。女神とドラゴンの切なるメッセージを、少年がこれまで集めたラブを元に解釈し、結果的にmoonの世界が救われた、ということになる。う~ん。

 

3.最後に

あくまでこの考察は自分が行ったもので、作者の意思や、多くのプレイヤーの考察とは異なるかもしれないとは思う。いろんな考察サイトを見たけど、みんな素直に「次見た扉」を開けることに納得していた。自分は「おまえ自身のラブ」が引っ掛かったが、多くの人はスっといったんだと思う。スっと理解できたことは書いてくれないから私は困った。だから今回書いてみた。

このゲームは、最後に現実世界の扉を開けさせる点で「ゲームなんてしてないで現実世界で励め」みたいなメッセージがあるような雰囲気がある。しかし自分の解釈からもっと細かく考えると「ゲームをするような情熱を、現実世界でも使え」と言っているように感じた。こっちだと挑戦的というより随分と好意的だ。私はこっちの解釈の方が好みだ。そして現実世界で生きるからこそ「もう、勇者しない。」のだろう。

残る謎は、最終的に劇中世界では発売されなかったmoonというゲーム、どうしてこの少年はプレイできていたのか。