宇宙を探索し、敵を倒し、素材を集め装備を強化し、ワープを繰り返し目的地を目指す!
3次元の自由空間で時に素材を集め、時に敵戦闘機とドッグファイトをし、時に隕石を盾に戦艦と戦う!
不運なピンチも集めた素材と知識・判断力で状況を切り抜ける、スペースサバイバルな探索シューティングゲームEVER SPACEのレビュー。
- 美しい宇宙のゲームが好き!
- 3Dフライトシューティングが好き!
- サバイバルなローグライクが好き!
という人には是非おススメしたい。
ドッグファイト!
ミサイルでドーン!(紹介画像では画質が悪いですが、ゲームではとても綺麗です)
コンテンツ
- 概要
- このゲームの魅力
- 2-1.戦闘の楽しさ
- 2-2.奥深いシステム
- 2ー3.美しいグラフィック
- 2-4.トライアンドエラーの楽しさ
- ゲームのシステム
- 3-1.ゲームの目的と流れ
- 3-2.戦闘の要素
- 3-3.探索
- 3-4.ローグライク要素
- 操作性・難易度
- 総評
1.概要
EVER SPACEは宇宙船を操作し、ワープを繰り返して目的地の空間を目指すゲームだ。
ワープには燃料を必要とするため、各宇宙空間(3次元MAP)を探索し、最低でも燃料を補給しながら進むことになる。時に宇宙空間には敵対機が存在し、交戦することになる。探索で得られたアイテムや素材で兵装を使用し、生きて目的地まで飛ぶことができればクリア!途中で墜落してしまうと、最初の最初の空間からやり直しだ。
基本的にローグライクな死に覚えゲーで、空間のマップや敵配置などもすべてランダムの自動生成のため飽きづらい。どんどんトライアンドエラーをしていくゲームになる。
この広い宇宙を彷徨い戦い、最後のマップまでワープする。
2.このゲームの魅力
2-1.戦闘の楽しさ
このゲームでは敵戦闘機と戦うことが多い。敵に気づかれたら襲われるし、逆にドロップ目的で自分から襲撃することもある。
このゲームの面白さは、ただ現れた敵と戦うのではなく、戦略的な行動(撤退など)・戦術的な行動(装備や場所の選別)・戦闘技術(ドッグファイトの腕)の全てを含めて戦えることだ。
敵がいても、戦うことに大きなリスクがあれば、敵を避けて次のステージにワープしても良い。場にブラックホールがあればそこに敵をおびき寄せて吸い込ませたり、中立軍がいればその周辺におびき寄せて中立軍と戦わせれば、戦術的に自分を有利にできる。いざドッグファイトになればその場の判断や対応が求められる。
このような戦闘のマネジメントと、戦闘自体の楽しさが共存していることが、このゲームの魅力だ。 敵(赤マーカー)がいても戦う必要がなければ無視
勝手に中立軍(オレンジマーカー)と戦ってくれてる状況。漁夫の利が美味い。
必要な時は戦え!基本はドッグファイト!
2-2.奥深いシステム
このゲームのシステムは結構細かい。
武器・デバイス・消耗品はそれぞれ多くの種類があり、それらの性能も細かく決まっている。武器の性能を例に取ると、威力・連射速度・集弾率・エネルギー効率・射程・弾速など非常に細かく決まっている。ゲーム自体は大体の使い方をわかっていれば進められるが、だんだん自分で使い方や強化の仕方が最適化されていくのが楽しい。
また、自機の体力についてもHPゲージだけでなく、確率で部位破壊が発生し、機能が損傷することがある。例えば主武装が損傷すると安定して弾が出ない等が起きるのだ。修理は回復アイテムと素材を使用し、修理かHP回復かのマネジメントが求められる。
さらに、船体の移動や主武装・デバイスの使用にはエネルギーを必要とする。そのためエネルギーのマネジメントも必須となる。
このような様々な細かい要素・深いシステムが生み出すジレンマもこのゲームの魅力の一つだ。
武器はいろいろあり、持てる数の限りもある。最初は簡単に見ておこう。
船体の損傷状態。センサーが壊れると索敵すらまともにできないので本当に困る。
強力な装備、強力な武器はエネルギーをよく食う。気を付けないと経戦能力がなくなってしまう。
2ー3.美しいグラフィック
このゲームはグラフィックが非常に美しい。
細かいというよりは粗密があり、色合いもよく、静かに美しいのだ。
このゲームは死に覚えゲーなので何度も何度もトライすることが多く、さらにチキンプレイすると一回のランで1時間以上かかるため、長時間プレイになりやすいゲームだ。そういった中で、ふとした瞬間にこの美しい宇宙の世界をボーっと見ると、何とも言えない休憩になる。このゲームは常に交戦しているわけではないので、敵影がなければ10秒くらいボーとしてても全く問題ないのだ。
美しいグラフィックがふとした時の休憩になる、独特の居心地の良いプレイ感もこのゲームの魅力の一つだ。
この宇宙は残酷であるが美しくもある。
2-4.トライアンドエラーの楽しさ
このゲームはローグライクだ。
どんなゲームかは次のゲームシステムの章で細かく書くが、ローグライクが好きな人は死に覚えていき、自分の成長を感じながら少しずつ先に進めるようになっていく感覚が楽しいのはわかるだろう。
それもまた、このゲームの魅力だ。
よそ見してて操作を誤り、隕石に自分から激突して死ぬ。そんな日もある。
3.ゲームのシステム
3-1.ゲームの目的と流れ
このゲームは「ラン」>「セクター」>「セクション」の大きく三種類の構成を持つ。
ラン:始まってから死ぬまで(もしくはクリア)。死んだら最初のセクターの最初のセクションからやり直し。そのラン中に集めたお金でキャラクターや機体の基礎性能を少し上げてから、次のランに入る。
セクター:セクションの集まりで6まである(マリオのステージの2-1の「2」にあたる)。1セクターは大体3~8のセクションの集まりで、セクターを超えると段階的に難易度と報酬が上がる。また、初めて踏み込んだセクターではシナリオイベントが入る。
セクション:実際にプレイするステージの単位(マリオのステージの2-1の「1」にあたる)。3D空間で自由に機体を操作して武器や素材や燃料を集め、必要に応じて戦闘する。この空間は非常に広いが上下左右前後に端があり、そこから出ようとするとドットダメージを受ける。そして「燃料」を一定量消費することで次のセクションへワープできる(例:2-1→2-2)。そのセクターの最後のセクションの場合は、次のセクターの最初のセクションへワープできる(例:2-4→3-1)。なお、セクションには実質的に時間制限があり、一定時間経過すると敵の大量増援が来るのでそれまでに次のセクションへワープしよう。
セクターは6が最後であり、セクター6の最後のセクションを生きてクリアすることがこのゲームの目的になる。
基本は燃料さえあれば次のセクション・セクターに行けるので、極端に言えば燃料さえ集めておけば敵と戦う必要はない(重要)。
途中で死んでゲームオーバーになった場合、そのラン中に集めたお金でキャラクターや機体の基礎性能を強化して次のランへ。お金以外の全ては一切次のランには引き継げない。死にそうになったら優先的にお金を集めよう。 死んだらそのランは終わり。お金による強化が行える。お金による強化は永続。自分に合ったところから伸ばそう。
セクターのマップ。丸いのが一つの空間(セクション)。右端で次のセクターへ。
セクションでの画面。右上に表示される燃料は最初[100]で次のセクションにワープするのに[25]消費する。集め続けよう。
3-2.戦闘の要素
・交戦に入るまで
このゲームでは同じセクションにいる敵機全員が一斉に交戦に入るわけではない。
プレイヤーの視界射程は半無限のためセクションにいる敵全ての存在を確認できるが、敵機はプレイヤーとの距離がある程度まで近づかないとこちらに気づかない。そのため基本的に戦闘するタイミングはこちらが選べると思ってよい。
交戦する際は「自機の状態」「敵の数」「敵の装備」をよく確認して交戦することが大事だ。 敵はこっちに気づいていない時は、どう対応するか考えよう。
・交戦の動き ドッグファイト ~シールドと機体体力~
主武装ではお互いに前にしか撃てないので、相手の後ろから撃てば一方的に攻撃できる。このため、お互いに後ろを取りに行くドッグファイトになる(副武装のミサイル等は除く)。
このゲームの戦闘で重要なシステムが「シールド体力」と「船体体力」だ。ポイントは以下四点だ。
- ダメージを受けるとまずシールド体力が削れていき、シールド体力がない状態だと船体体力が減っていき、船体体力が0になると撃墜・墜落
- シールド体力は一定時間ダメージを受けていないと自動で回復する
- 船体体力は一部の素材やアイテムや施設を使用しない限り回復はしない
- 同じ武器でもシールド体力と船体体力で与えるダメージが大きく異なる。
1より、敵に攻撃するときは、まずシールド体力をなくしてから船体体力を削らなければいけない。
4より、同じ武器でもそれぞれで受けるダメージが異なるため、「まずシールド体力を削りやすい主武装で攻撃し、その後船体体力を削りやすい主武装に変更して攻撃」が基本となる。このため、複数の主武装を使いこなす必要性がある!主武装変更はマウスのロールで簡単に変更可能だ。
2&3より、攻撃される場合はシールド体力でとどめておくことが重要だ。シールド体力だけなら交戦後に自動で回復するため実質ノーダメージにできる。
複数の武装の使い分け、被弾ゼロは現実的に無理でもシールド管理によって実質被弾ゼロはできる点がこのゲームのみそだ。
上の青いゲージがシールド体力、下の赤いのが船体体力。ダメージはシールドまでに抑えたい。
・ドローンとの戦闘
本ゲームでは、敵がドローンをよく使用してくる。
ドローンはガンダムのファンネルのようなもので、使用者の周りを飛ぶ小型の無人機体だ。
ドローンの種類は、攻撃能力があり事実上敵機が増えているようなものや、こちらの動きを鈍らせるような補助的なものなど多岐に渡り、それが敵装備の特徴になってくる。
ドローンは基本的にシールド体力も機体体力も低いが、数が多いのが厄介だ。
しかし、敵のドローンを一時的に乗っ取れるアイテムや、無条件にドローンを分解できるデバイスといった対ドローン専用兵装が存在し、それらがあれば非常に簡単に無力化できる。
この敵ドローンへの対応もこのゲームの戦闘を多様にする特色だ。 複数のドローンを従える敵機。ドローン対策をしていこう。
・戦艦との戦闘
時に戦艦と戦う必要もある。
奴らは前後関係なくドカドカと弾を撃ってくるので、ドッグファイトにはならない。
しかし戦艦は移動が遅い上に撃ってくる際の集弾率が低いので、隕石を盾にしたりして的を小さくすると安全に戦えたりする。
このような戦闘の多様性もこのゲームの特色だ。 敵戦艦との戦闘。無視して距離を取るか、できるだけ安全かつ確実に始末したい。
・兵装と素材
兵装はいくつかの種類がある。
①主武装:弾無制限でエネルギーを消費していつでも撃てる兵器。初期機体では同時に3つまで装備できる。種類は、シールドダメージが大きいレーザーガンやパルスレーザー、機体ダメージが大きいガトリング砲やコイル銃等々多岐に渡る。
②副武装:弾数が有限だが、エネルギー消費せずに撃てる兵器。初期機体では同時に3つまで装備できる。種類は、自動誘導のある小型ミサイルや、誘導はないが威力が高く敵戦艦に強力なプラズマ魚雷等々多岐に渡る。
③デバイス:様々な便利アイテム。パッシブなものはエネルギー容量を占有しつつ常に効果を得られる。レーダー感度を上げるセンサーリレーや、船体防御力を付与する適応アーマー等がある。アクティブなものはエネルギーを消費して使用できる。クールダウン期間を待つと再使用でき、エネルギーと時間さえあれば何度でも使用できる。具体的には、一定時間敵対ミサイルをすべて自動で撃ち落とすミサイル防衛システムや、対象敵機の動きを一定時間鈍らせるターゲットデセラレーター等々多岐に渡る。
④消耗品:様々な便利アイテム。使用するとなくなるが、エネルギー消費もせずに手軽に使える。種類は、一時的に攻撃力を上げるダメージブースターやエネルギーを一定量回復させるエネルギーコア等々多岐に渡る。なおドローンも消耗品にあたる。
装備いろいろ。プライマリが主武装、セカンダリが副武装だ。
2-3.探索
素材を持っていると、自分の兵装を強化したり、 レアアイテムである設計図を利用して兵装を作成したりできる(設計図はラン間で引き継ぎ可能)。
そして、その素材集めるための探索も非常に重要だ。
ミサイルをたくさん装備したり、シールドを発生させるデバイスを強化するだけで戦闘は有利になる。
素材は鉱物・ガス・クリスタル等多岐に渡る。必要な時に必要な性能の兵装を用意できるようにしっかり集めておきたい。
戦いとは実際の戦闘時間よりも準備時間の方が長く、重要なものだ。備えよう。
2-4.ローグライク要素
このゲームはローグライクらしく、あらゆるセクション(マップ)はランダムに自動生成されたものになる。
つまり何度繰り返しても同じマップになることはない。
それ故に簡単に強力な武器が手に入ることも、ある素材がひたすら手に入らないこともある。
そういった要素で毎回新鮮な気持ちで作戦を考えられる。
空間はいつも一期一会。
3.操作性・難易度
操作性はPCゲーム慣れをしていれば困らない。自分は慣れていなかったが、1時間ほどで慣れた。
難易度は高い。だが、それはアクションが苦手な人には向かない、ということでもなく、何もできなくてイライラする、ということでもない。ただ「簡単にはクリアさせてくれない」というだけだ。プレイヤーが「何の兵装が強いか?」「状況に対してどう立ち振る舞えばいいか?」を考え、プレイヤー自身の成長で確実に前に進めるようにできているのだ。
4.まとめ
その時持っている様々な装備や素材を使い、状況に合わせて考え行動し、場面を乗り越えていくことが、自分にとってこのゲームの一番の楽しさだと思う。
敵の装備は何か、数はいくつか、自分が必要なものは何か、周りに利用できるものはないか、自分に今何ができるか、自分はこのランでの目的を何とするか、を考えて判断し行動していける自由度の高さがその楽しさを生み出している。戦うことも、逃げること、一か八かで無謀に挑戦することもできる。
そして美しいグラフィックはプレイヤーをこの世界にのめり込ませる。
操作に慣れてしまえば、ただ楽しいだけでなく、プレイするだけで宇宙を気ままに旅しているような気分にさせてくれるゲームでもある。
以上。